今回は、ビジネスバンクグループ代表 浜口隆則の友人でもある、

早稲田大学教師の井上達彦氏にお越し頂きました。

 

今までの偉大な経営者はなぜ、

「真似る」ことで偉大なビジネスモデルを創りあげたのでしょうか?

井上氏が、その本質について語っておられます。

 

 

 比喩という強力な手段

 

これまで、偉大なビジネスモデルを生み出してきた経営者に

共通している点として、「メタファー」というのが一つ大きな価値を

生み出している共通点だと井上氏は言います。

 

そして、メタファーには大きく分けて以下の2つの効果があります。

 

① 「創造を促す」メタファー

 

関連性と意味合いが即座に、しかも明快に理解できない時に、

メタファーは新たなアイデアを生み出す。

(一見、全く関係のない2つのものを抽象的に考えることで、そこにアイデアの源泉が生まれる)

 

 

② 「理解を促す」メタファー

 

多重の意味合いを簡潔に伝える威力がある。

(「一枚の葉っぱ」を伝えたいときに、「森」を通して伝えることで理解を促すことができる)

 

 

模倣で分かる、ビジネスモデル構築のヒント

 

まず山があって森がある。森を作って木を作って枝と葉っぱとなる。

そういう順序を心得なければ、成功しない。

 

ニトリの創業者、似鳥昭雄氏のことばです。

そして、「食器棚はどうする?」という単品レベルの模倣は、枝葉にあたると言います。

 

つまり、より視点を抽象化し、

例えば車業界などの違う世界の考え方からヒントが生まれるかもしれないということです。

 

車業界の方にとって、

「不良品が多い家具」は同じ製造業としては絶対に許したくないでしょう。

(命を左右する製造物を扱っている側として)

 

今のように、

 

違う世界の物事を「模倣」することで、自分たちの基準が上がり、

そこからビジネスモデルの質が上がる可能性があります。

 

 

ビジネスモデルを考えるときの模倣材料

 

異業種のビジネス

過去のビジネス

  • 規模の違うビジネス

 

  • 全く違う世界のお手本になるほど、大きなヒントがそこにはあると井上氏は語られます。

今までに、「これは全く関係ないから参考するのは止めよう」と思っていたものほど、

実は質の高いアイデアが生まれる源泉になるのかもしれません。

 

 

  • まとめ

 

井上氏は「新しいレンズを作ろう」と参加者に薦めていました。

私たちのレンズは、何かに熱中すればするほど

「虫眼鏡」になっていることが多いと感じます。

 

井上氏が言う全く違う世界で模倣を行うために、

私たちは「鷹の目」のような広く物事を見るレンズを手に入れるべきだと感じました。

 

井上氏は、「無」から「有」は生まれないと言います。

そして、今までのどんな大企業をつくった偉人でも「沢山の模倣」をし、

事業を構築したと言います。

 

このセミナーを開催した「PRESIDENT ACADEMY」では、

様々な業界で活躍されている経営者が登壇されます。

 

そこには多くの「模倣」のチャンスがあり、

新しいアイデアの源泉の場とも言えるでしょう。

 

同じ業界だけで物事を考えず、全く違う世界に出てみることで、

沢山の面白いことが起きるかもしれません。