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これは何の数字でしょうか。

 

講演の冒頭、丸山氏は参加者に問いかけました。

 

答えは、

社員が会社の方向性を理解していない

 または示されていないと感じている数字

 

であるそうです。

 

「常に目標を達成し続ける一体感ある組織をつくる」

ということに対し、

会社が小さなうちはなんとかなります。

 

しかし、組織拡大に比例して難しくなっていく現状があります。

 

例えば、「組織に一体感をもたせる」といった理由で飲み会や
ボーリング大会を行う会社はよくあります。

 

しかし、その盛り上がりは一瞬だけのものです。

 

単純な楽しさと士気向上に組織単位では関係はありません。
組織結束と継続的士気を高める効果はゼロなのです。

 

では、どのような組織改革を行えば
ブレない組織をつくることができるのでしょうか。

 

今回は、株式会社エバーグリーンで
組織変革コンサルタントの丸山琢真氏をお招きし、
ご講演いただきました。

 

 

ブレない組織をつくる第一歩

 

まとまりのある組織と
バラバラな組織の決定的な違いとは何でしょうか。

 

それは、組織が強固にまとまる
中心軸
があるかどうかであると丸山氏は語ります。

 

中心軸とは”組織根幹概念”であり、
経営理念のことです。

 

そもそもなぜ「経営理念」が必要なのでしょうか。

 

大事なのは、会社の存在理由の本質を考えることです。

 

何のためにやっているのか、どこに行くのか、誰とやるのか、
どのようにやるのか、いつまでにやるのか。
など、全てが戦略の原点です。

 

では、何をもって「経営理念」というのでしょうか。

 

理念とは、会社の組織において、社員が理解・行動化できて、
目的目標の達成に向かうためのものです。

 

理念には、ミッション・ビジョン・バリューがあります。

 

ミッション:組織の存在意義(創業者の想い)

ビジョン:中長期的目標(輝かしき未来像)

バリュー:組織価値観(どのような人材・文化を育むか)

 

すなわち、
なんのために
どうやって
誰とやるのか

を理念とする必要があります。

 

ここで絶対に外してはいけないのは、
理念の”整合性”であると丸山氏はおっしゃります。

 

整合性を噛み砕くと、
理念を大切にしている社員は評価すべきだということです。

 

逆に、売上などの成果は出している社員がいたとしても、
その方向が理念に沿っていない事業を行い、
短期的にうまくいったとしても、その場のみで長続きはしません。

 

それは、多角化と言う名の暴走であると丸山氏は語ります。

 

 

ブレない理念の構築方法

 

ブレない組織をつくるために、理念を”創る”から深堀りし、
”伝え”、”徹底させる”ことが必要です。

 

しかし、たいていの経営者は
間違った伝え方をしていると丸山氏は語ります。

 

その例を4つの方法を
ご紹介いただきました。

 

・経営陣が本音・本気でなく、理念に魂がこもっていない

・一言、全体に言えば、伝わった・理解してくれたと勘違いしている。

・言いっぱなし、やりっ放しのまま、言い続けていない。

・そもそも理念など存在せず金儲けのことだけ考えている。

 

理念を創り、浸透させるには覚悟が必要です。

 

創るは”魂”が、

伝えるは”情熱”が、

徹底するは”忍耐”が、

それぞれ必要です。


それらなくして、理念は浸透しません。

 

理念を創るためには、経営陣全員が魂こもった本音と
コミットのミッション・ビジョン・バリューを構築するには、
『構築環境』が”肝”になります。

 

そして、魂のこもった本音と必達コミットした
ミッション・ビジョン・バリューを全社員に理解浸透させるには、
『腹落ち感』が”肝”です。

 

全社員が行動化するには
『継続の仕組み』をつくることが”肝”です。

 

例えば、丸山氏が代表を務めるエバーグリーンの場合、
アウトドアやアクティビティを通じて
大自然の中で気持ちを一旦リセットします。

 

その後に、想いを賛同・腹落ちさせるプログラムを行います。
これにより、ブレない環境をつくりあげることができるのです。

 

 

 理念の効果的な浸透方法

 

理念の効果的な浸透方法を5つ紹介致します。

 

①理念を体験の中から理論と感情で学ぶ。
 これは実体験により感情を理解してもらい行動化の促進することです。

 

②理念に即した行動を全員で称賛する。

 

③理念を楽しんで浸透させる。
 理念を浸透させるイベントを通じ、肯定的に認知させます。

 

④理念を日常の中に溶けこませる。
 ポスターや毎日の朝礼などを通じ、
 日々に溶け込ませていく方法です。

 

⑤人事制度を理念に整合させる

 

理念をハラオチさせ継続させる”仕組み”を策定することが
浸透への近道である丸山氏はおっしゃられました。

 

 

まとめ

ミッション・ビジョン・バリューの意義から、
その創り方、伝え方、浸透のさせ方まで
丸山氏独自のやり方で熱く語っていただいた1時間半。

 

小さい会社、大きい会社問わずに、
理念を社員にしっかりと浸透させ、
一体感を持った会社、そんな経営者が増えることを私たちは願っています。