今回は前リッツカールトンの日本支社長
高野登氏にお越しいただきました。
現在は”人とホスピタリティ研究所”所長として
ホスピタリティに基づく生き方を提唱する高野氏に
「サービスを超える瞬間」についてお話をして頂きました。
高野氏のセミナーではホスピタリティの
”ノウハウ”は一切お伝えしません。
魚を提供するのか、魚の釣り方を教えるのか。
高野氏は皆様に”魚の釣り方“をお伝えします。
本レポートでは皆様に考えるヒントをご提供します。
なぜリッツカールトンはリッツ・カールトンなのか
高野氏は会場に集まった150名を超える経営者をみて、
セミナー運営側のブランドを感じたと言います。
ブランドというのは
”人にお金と時間とエネルギーを使わせる力”
だと高野氏は言います。
そしてリッツカールトンもそういった想いで
やってきたそうです。
リッツカールトンにおいて
ブランドとなるのはなにか。
リッツカールトンを知っている人なら
「ホスピタリティ」
と答えるかもしれません。
ではサービスとホスピタリティを明確に意識しながら
仕事をしている人はどれくらいいるでしょうか。
違いを明確に理解している人はどれくらいいるでしょうか。
「リッツカールトンのブランド力は
”サービス”と”ホスピタリティ”の違いを
従業員全員に理解させることで育つ。」
と高野氏はおっしゃいました。
サービスの先にあるモノ
・提供する側が内容を決めている。
・”誰が提供しても一定水準以上を満たしている”ことを約束する。
・目に見えることができ、お金に変えることができる。
これが高野氏のサービスの定義。
サービスはお客様に”満足”を与えます。
では”満足”を追求するとどうなるでしょうか。
「会社が潰れます」
高野氏の発言に会場がざわめきました。
前回を超えるサービスはお客様をより満足させますが、
満足の先にあるのは”大満足”なのです。
”満足”の先に”感動”はないのです。
サービスを追求すると価格の決定権を失い、
やがて収益性を損ないます。
人は感情が動いた時にお金を払うのです。
ではどうすれば感情を動かせるのでしょうか。
感動を生むホスピタリティ
「感動を生むものはホスピタリティしかない」
と高野氏は断言します。
高野氏はホスピタリティを
「相手の心に自分の心を添えて、対話をする姿勢。
あるいは生き方や生き様。」
と定義しました。
ではホスピタリティはどのようにして生まれるのでしょうか。
サービスのマニュアルがいくらあろうと
ホスピタリティは生まれない。
”なんのためにその作業をするのか”を考え続けたとき、
ホスピタリティは生まれるのです。
高野氏は
「”何のために”を考えながら仕事をすることで、
一歩先が見えてくる。」
とおっしゃいました。
まとめ
サービスを超えた瞬間を考えるヒントが満載な90分。
経営者の皆様が顧客に提供するのは有形であれ無形であれサービスです。
皆様も”何のために”を追求して、
サービスを超えたホスピタリティを
提供してみてはいかがでしょうか。
そのためにまず、
皆様自身が何のためにを考えながら
仕事をすることが大切だと思います。
1つでも多くホスピタリティあふれる会社が
活躍することを願っています。
講師紹介

人とホスピタリティ研究所 所長
1953年、長野県生まれ。プリンスホテルスクール(現日本ホテルスクール)第一期卒業。 1974年渡米。ニューヨーク(NY)・ホテルキタノ、NYプラザ、LAボナベンチャー、SFフェアモントなどでの勤務を経て1990年にザ・リッツ・カールトン・サンフランシスコの開業に携わる。1992年に日本支社開設のため一時帰国。1993年にはホノルルオフィスを開設。翌94年、日本支社長として転勤。リッツ・カールトンの日本における営業・マーケティング活動を行いながら、ザ・リッツ・カールトン大阪の開業準備に参画。2007年3月のザ・リッツ・カールトン東京の開業後は、さらにポジショニングを強化すべく、積極的にブランディング活動に取り組む。2009年9月 退社。2010年1月 人とホスピタリティ研究所 設立。現在に至る。 著書:「リッツ・カールトンが大切にする サービスを超える瞬間」(かんき出版)「絆が生まれる瞬間」 (かんき出版)「リッツ・カールトンで育まれた ホスピタリティノート」(かんき出版)監修:「人と接するときに大切にしたい サービスを超える瞬間 実例・実践編」(かんき出版)
高野 登 氏 出版書籍
セミナー詳細
日程 | 2011年11月5日(木) |
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時間 | *終了しました |