本セミナーは、
「スタートダッシュを加速させる 創業資金の調達ノウハウ」
というテーマで、行政書士の赤沼氏、磯貝氏のお二方をお招きしました。
行政書士という観点から、資金繰りの基本的な要素から
資金繰りにあたっての経営者がすべきことまで
をまとめてご講演いただきました。
このレポートでは、経営者が成功し続けるために
重要な要素をお伝えしていきます。
資金繰りの基本的な要素
資金繰りをする上で、
特に覚えておくべきものは3つあると磯貝氏はおっしゃられました。
以下の3つです。
① 取引→損益→資金というフローを理解すること
② 取引のボリュームを抑えること
③ 資金の流れを時系列で捉えること
起業したての頃は、全てのことに力を入れてしまいがちですが、
実はきちんと順序立てて行うことで、
本当に力を注ぎたい部分に本腰を入れることが出来るようになります。
資金繰りを考える上で大事なことは、長期スパンで構想を練り、
それから月別に考える必要があるということだと磯貝氏はお話されます。
会社を設立したばかりの頃は、
とかく目の前のことに集中してしまいがちです。
しかし、まずは年間の計画書を作成し、
それを月毎の計画書に落とし込むことで、
もっと楽に資金繰りをすることが出来るようになるのです。
ここで大切なことは、
きちんと表にすることだと磯貝氏は仰います。
見える形にすることで、
日々どのように経営をしていけば良いのか分かりやすくなります。
また、年間など長期ベースで考えることも大切だと言います。
金融機関から受けられる融資の種類
いくつかの金融機関では、起業直後でも融資を受けられることがあると、
赤沼氏はお話されます。
例えば、創業から半年以内であれば、
「中小企業基盤人材確保助成金」がもらえるそうです。
スタートアップ企業でも融資を受けられる機関は、
数は少ないですが、なくはないのだそうです。
以下は、起業した後に、いつ、
どのような融資を受けられるか簡単にまとめたものです。
○創業前~1期目(1~2行取引)
・日本政策金融公庫
・信用金庫(又は信用組合、地方銀行)の保証協会付き融資
○2~3期目(2~3行取引)
・日本政策金融公庫
・信用金庫、信用組合の保証協会付き融資
・地方銀行の保証協会付き融資
○3期目~(3~5行取引)
・プロパー融資を受けられることを目指す
自社がどの段階にいるかによって、
受けられる融資の種類が変わってきます。
また、それぞれの金融機関により、様々な必要条件があるため、
きちんとチェックすることが大切なのだそうです。
資金繰りにあたり、経営者がすべきこと
資金調達をしようと考えた時、経営者がすべきことは沢山あります。
どれも欠かせない大切なものです。
例えば、「事業計画書作成」「資金繰り表作成」など、
これは経営をする上で、あって当然のものです。
さらに、期限内の申告や納税を必ずすること、
利益発生ベースの財務諸表を作成することなど、
気を付けるべきことは多岐に渡ります。
創業後の融資であれば、
実績をつくることも大切だと赤沼氏は言います。
また、その後のビジョンも持って考えることも重要なのだそうです。
利益があがるのは創業時ではなく、軌道に乗った後のことです。
ですから、まずは3年後を見据えた資金調達戦略を立てることが大切です。
まとめ
起業したての頃は、何もかもを自身でやらねばならず、
中でも一番苦労するのが、資金面だと思います。
皆さん頭を悩ませつつ計画書を作成されるのでしょうが、
気を付けるべきポイントは沢山ありますから、
税理士さんと共に計画を立てることで、
大きな失敗を防ぐことが出来るのではないかと思います。
資金繰りは年間で考え、
毎月困ることのないようにしたいですね。