人材不足が謳われているここ数年において、一人あたりの生産性を上げることが企業に求められています。それゆえ、多くの企業が優秀な人材を強く求めています。
企業は「人」の集合体であり、優秀な「人」を集められると自ずと成長していくことができます。
すなわち、採用とはただ「人材」を獲得するだけでなく、将来の会社の資産となる「人財」獲得に繋がる重要な活動です。
そこで今回、9年間で1,000社の採用支援、学生3,000人の就職支援に携わってこられた酒井利昌(さかいとしまさ)氏より採用の極意をご紹介いただきました。
1. 採用活動を進める姿勢
酒井利昌氏は採用に臨む姿勢として
①最大限の共感を示す
②「伝える」と「伝わる」を区別する
この2点を重要視しています。
①最大限の共感を示す
人間は他人からの承認を求める生き物です。
ゆえに求める人財に対して、相手のペースに合わせて最大限の共感を示すことで、相手が心を開いて本音を話してくれる確率が上がります。
相手のペース(仕草や声の高低)に合わせることを心理学的用語で「ペーシング」と呼ばれ、相手の警戒心をとり、安心感を与えることができます。
②「伝える」と「伝わる」を区別する
人財に共感を示して会社の想いを「伝える」だけでは不十分。
メッセージを伝えて相手が理解し行動を起こしてくれるように「伝わる」ことが重要です。
自分が伝えられたと思っても、多くの場合相手は大半を理解していないことや内容を忘れています。繰り返し相手とコミュニケーションを取り、相手に「伝わる」ように意識することが重要です。
このように、最大限に共感を示し相手に「伝わる」ように「伝える」姿勢は、採用活動を進めていく上でプラスとなります。
酒井利昌氏は良い採用を行うポイントとして、①集める ②見極める ③動機づけるの3つを挙げています。
①集める
②見極める
③動機付ける
①集める
採用活動は候補者を集めることが必要です。
ただ漠然と募集するのではなく、自社のコンセプトや伝えたいメッセージを具体的に言語化して届けることがポイントになります。
募集内容だけでなく、採用広告で自社の誰をロールモデルとして掲載するかのキャスト設定も募集に影響を与えます。
就職サイトや自社HP、SNSなどのマスに対するメディアや合同説明会などを試して、自社に最適な方法を見つけることが鍵です。
②見極める
次に集まった候補者を見極める必要があります。
会社全体で採用基準を明確に定め、採用人物像を共有することが重要です。また、候補者間で客観的に比較するため事前に何を質問するのかも決めましょう。
よくある質問に、「今までに何を成し遂げてきたか」があります。その際、結果を見るのではなく達成までのプロセスを深掘りすることに焦点を当てましょう。
なぜなら自社で再度再現できるかどうかが重要であるからです。
③動機づける
最後に自社が選ばれるように相手を動機づける必要があります。ここでも共感することが重要です。
人それぞれ言葉の受け取り方や価値観が違うので、相手に合わせた共感を示し、相手の承認欲求を満たします。なぜ評価したのかを言語化して具体的に示すことも有効です。
相手をよく知り、自社に来る動機づけを行ってあげることで欲しい人財を獲得できる確率が上がります。
このように、人を①集める ②見極める ③動機づけるの一連の流れが採用活動のポイントであり、全てを適切に実行することで欲しい人財が集まる会社に近づくことができます。
酒井利昌さま、素晴らしいお話
ありがとうございました。
本記事の作成者: 下境田 直也