「PDCA」、ビジネスマンなら誰でも聞いたことのある言葉でしょう。

改めて「PDCA」とは、

「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」

の頭文字を取ったもので、

業務を効率化するための一つの手法として定着してきました。

 

しかし、この「PDCA」は変化の激しい現代において

今まで通りに機能しないと言われてきています。

 

そこで今回、従来のPDCAに取って変わる
すごいPDCA」を孫正義氏のむちゃぶりに対応してきた
元ソフトバンク社長室室長 三木雄信(みきたけのぶ)氏から
ご紹介頂きました。

 



1. 「PDCA」の問題点

 

三木氏は、世の中に定着している
「PDCA」の問題点は企業環境の変化にあるとしています。

 

その結果として適切にPDCAを回すことができない
と指摘してきました。

 

「PDCA」の前提だった企業環境は、
安定したものであり将来への見通しがある程度つく時代でした。
そのため、過去の実績やデータをもとに計画(Plan)を立て、
実行(Do)すれば結果を出すことが可能で、
その結果を評価(Check)し、改善(Action)を加えていく
PDCAサイクルを回すことができました。

しかし、現代は変化が激しく不安定な企業環境であり、
過去から未来を推測するのは極めて困難です。

 

移り変わりが激しく予測困難の世の中になったので、
計画(Plan)した通りにサイクルを回すことが
できることはそう多くはありません。

計画通り実行(Do)できたとしても、
新たなテクノロジーなどで状況が変化してしまうと、
計画時に定義した前提のもと評価(Check)ができません。
ゆえに改善(Action)を加えることが難しくなります。

 

このように、「PDCA」は安定が保証されない現代において、
正常に機能する可能性が低いのです。

 


 

2.  すごいPDCAとは「DPCA」

 

三木雄信氏が提唱するすごいPDCAとは
DPCA(Do→Plan→Check→Action)

つまり計画(Plan)と実行(Do)の順序を
入れ替えてサイクルを回すことです。

「DPCA」のポイントとして、
同時並行で複数の実行(Do)を行う点、
失敗を想定して組み込む点の二点が挙げられます。

 

PDCA=Plan→Do→Check→Action

DPCA=Do→Plan→Check→Action

 

「DPCA」では同時並行して
複数の実行(Do)を行うことが重要です。

なぜなら、前提条件が同じ状況で様々な実行(Do)を試すことができるので、
その状況においての最善策を判断することができます。
従来のPDCAでは、実行時の状況が計画時に定義した状況と異なる問題、
各実行によって状況が異なる問題などがありました。
「DPCA」を活用することでそのような問題を解決できます。

 

「DPCA」に倣って同じ条件下で複数の実行を行う時、
失敗を想定した上で行うことも重要です。

三木氏はこのことを「鮭の卵理論」と表現しています。
鮭は卵を2,000〜3,000個産むが、生き残るのは2匹だけ。
ビジネスの世界でも同様に、
企業は何十何百と仮説検証を行っても失敗することが大半です。
それを理解した上で一つの結果に一喜一憂せず、
限りなく正解に近い方法を探すことが重要です。

 


 

このように、計画(Plan)と実行(Do)の順序を入れ替えて先行して
仮説検証を行う「DPCA」は不確実な現代において、
効果的に機能する手法です。

 

本記事の作成者: 下境田 直也