学生起業家は想いもよらないリスクにどう対応すべきか?

「予想外への対応」がピッタリかと思います。
新型コロナウイルス(COVID-19)への対応は、まだまだよちよち歩きの学生起業家へも容赦なく襲いかかり、その対応に追われた1年でした。
目次
1.新型コロナウイルスによって対応を迫られた3つの大きなリスク
①顧客がいなくなるリスク
海外旅行者向けの写真撮影事業でしたので、海外旅行者がいないとビジネスになりません。インバウンドそのものが消失したという状況でした。
顧客がいなければサービス提供自体あり得ないという事態になりました。
②顧客の優先順位が変わってしまうリスク
飲食店や美食家インスタグラマーを顧客ターゲットにしていた事業のため、今回のコロナによって顧客ターゲットは「死活問題が最優先でそれどころでない」という状況になりました。
③顧客と会えないリスク(活動制限)
シニア向けの事業を展開していたため、コロナウイルスの感染を広める恐れがある関係上、活動はオンラインのみに制限されてしまいました。
まだまだオンラインの活用が進んでいないシニアに対して、オンラインでビジネスを行うのは骨が折れます。直接会ってお金をいただくという事でさえ、大変な中、オンラインのみでお金をいただくのは非常に難しい環境でした。

2.リスクに対して対応する方法
対策も1つでうまくいく時もあれば、複数行なってうまくいく時もあります。
①顧客を変えることでピボット(別ニーズを探す)
それを考え、顧客になり得る人にアプローチを繰り返しました。
結果的に見えてきたのが、「ビジネスユーズのプロフィール写真」です。ビジネス界の方々は、このコロナウイルスによっていつもよりもお仕事が減るなどして時間が生まれていました。そのためセルフブランディングなどに取り組んでいた方がおりました。その方々にイケてる写真を提供するという事でアプローチしていきました。
②優先順位は時間によって変わるので関係性を深めておく
そこで美食ハントが、取り組んだのは顧客との関係性を深めていく活動です。
③ミッションに基づき事業を見直す
ばあごはん事業は、顧客と会えないリスク、(ストレートに言うとシニアと会うと最悪な事態を引き起こす可能性)に直面しました。顧客はどこにいるのか?どんな事を求めているのか?が分かったタイミングだったため、非常に残念でした。

3.リスク対応の秘訣は事前にそのリスクを知っているかどうか
事前に準備をしておく大切さです。リスクは事前に想定していれば恐いものではありません。
最悪の未来を日頃から想定していれば、そうなった時には落ち着いて対応できます。
未来をどれだけ意識しているかが起業家に求められています。
これこそがリスクマネジメントの要諦です。

4. 2年目はリスク対応に追われ、売上も上がらずほぼ利益0の結果
結果からいうとコストの使用を極力減らしたため、収支は全チーム黒字となりました。
ただ、売上の額が大きくないため、ほぼ利益0の結果となりました。リスク対応に追われ、売上をつくっていくチャンスがなかなか生み出せなかったのが大きな反省です。結果的には、非常に悔しい1年となりました。
5.来年度に向けて
今年度は既に新型コロナウイルスを折り込み済みの上で3チームを厳選しております。
ぜひとも今年のチャレンジを楽しみに、応援してください!
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします!!
【ライター】
野田 拓志
株式会社 ビジネスバンクグループ
経営の12分野ガイド
早稲田大学非常勤講師
大学時代、開発経済・国際金融を専門とし、 その後「ビジネス×途上国支援」を行う力をつけるために一橋大学大学院商学研修科経営学修士コース(HMBA)へ進学。 大学院時代に、ライフネット生命の岩瀬氏や元LINEの森川氏に対して経営戦略の提言を行い、そのアイデアが実際に事業に採用される。 現在は、「社長の学校」プレジデントアカデミーの事業部長として、 各地域の経営者の支援やコンサルティングを行う。2017年4月からは早稲田大学で非常勤講師として「ビジネス・アイデア・デザイン(BID)」を行う。