更新日:2023年12月26日

【無料レポート】

会社の目的は「幸せ」になること
〜会社の目的は利益ではない〜


ビジネスバンク 代表取締役 浜口隆則
著者 / 浜口 隆則
株式会社ビジネスバンク
代表取締役社長

横浜国立大学教育学部卒、ニューヨーク州立大学経営学部卒。
会計事務所、経営コンサルティング会社を経て、大好きな起業家を支援する仕事をするために20代で「日本の開業率を10%に引き上げます!」をミッションにした株式会社ビジネスバンクを創業。現在は起業支援サービスを提供する複数の会社を所有するビジネスオーナーであり、アーリーステージの事業に投資する投資家でもある。「幸福追求型の経営 / 戦わない経営 / 小さな会社のブランド戦略」など、独自の経営理論にはファンが多い。浜口隆則 著書一覧1浜口隆則 著書一覧-2Facebookアカウントはこちら
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「会社の目的は利益を上げることなのか?」

「会社はそもそもどこを目指して経営をすればよいのか?」
「会社の目的が分からなくなってしまった。」
「利益や売上だけを追ってよいのか悩んでいる。」

そんなお声を全国の社長や経営者からいただきます。
 
本レポートは、そのようなお声の1つの答えとして、「会社の目的」についてまとめたものです。改めて会社の目的を見つめ直す最初の一歩として参考にして頂ければ幸いです。

会社の目的とは?

会社の目的とは何でしょうか?
インターネットで検索をしてみると主に出てくる内容は2つに絞られます。

1つ目は、会社法に基づく株式会社の目的である「営利法人の目的」についてです。

日本商工会議所のHPには次のように記載があります。

“「会社」とは、事業を行うための組織を指します。会社法では、株式会社や持ち株会社といった責任の持ち方によって分類された会社の種類があります、いずれにしても、事業をするために出資した人の集まりである民間法人は、「事業を行い、利益を出していくこと」を目的としています。”

つまり、この1つ目の定義は、「会社は利益を出していくことが目的だ」という定義です。

2つ目は、会社を登記する際に必要となる「事業目的」に関してです。

事業目的とは、定款に必ず記載する必要がある絶対的記載事項の1つです。その会社を設立するにあたり、具体的に会社が何の事業とするのかを目的として設定するものです。
例えば、IT、インターネット関連企業を登記する際は、「ハードウェア・ソフトウェアの企画、開発、制作、販売及び保守」や「インターネット、その他の通信を利用した通信販売業」を目的として記載します。また、不動産関連企業を登記する際は、「不動産業」や「不動産賃貸業」などの事業目的を記載する必要があります。

つまり、この2つ目の定義は、「会社をつくる際の目的」という定義です。

両者の会社の目的はどちらも間違っているわけではありません。
しかし、既に経営を行っている私たち経営の実践者が抑えるべきは、いまご紹介した2つの目的ではなく、もっと本質的な経営の目的です。

会社の目的を知るために抑えるべき「経営の本質」

会社の目的 経営の本質 良い経営とは

それでは、もっと本質的な経営(会社)の目的とは何でしょうか?まずは経営というものから改めて考える必要があります。
 
経営というものは本来、人が人のために行う人の活動です。Aさんが困っており、Bさんがその解決策をAさんに提供する。その対価としてAさんはBさんにお金をお支払いするというのが本来の経営の始まりです。つまり、本質的に、経営活動は人のためになっていなければいけないのです。
 
では次に、「良い経営」について考えてみましょう。
良い経営とはどのような経営か?と社長や経営者の方々に質問をすると、
「儲かる経営。成長拡大する経営。有名になる経営。優秀な経営。強い経営。」などの答えが返ってきます。
間違いではないものの、これらの答えは、残念ながら「経営は本来、人の活動だ」ということを忘れてしまっているものばかりです。
 
私達が思う良い経営というのは、人を中心に置いた「幸せ」が大切だと考えています。つまり、良い経営とは、「関わる人を幸せにする経営」のことだと考えております。「幸福追求型の経営」と表現しても良いかも知れません。
 
経営と良い経営を改めて確認することで見えてきた、私たちが考える本質的な経営(会社)の目的は「幸せになること」です。

会社の目的 経営とは関わる人を幸せにする仕組み

私達が日々行っている経営の定義とは「関わるすべての人を幸せにする仕組み」です。だから社長は、「幸せの専門家」じゃないといけないのです。社員やメンバーよりも幸せになる方法、幸せを生み出す方法に詳しくなければいけません。
経営の本質を全うするためには、幸せの専門家になる必要があるのです。

社長は「幸せの専門家」

会社の目的は「関わる人の幸せ」の追求です。ですから、経営をまっとうするためには、社長は「幸せの専門家」じゃないといけません。しかし、ここであることに気が付きます。それは何かというと、私たち経営者は驚くほど幸せについて無知だということです。

幸福追求型の経営を目指すのであれば、「幸せについてもっと知る」努力が必要になります。

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幸せのことを知る3つの方法

幸せのことを知るためにまずすべきことは、自分の幸せを真剣に考えることです。
 
自分を幸せに出来ていない人が、他者を幸せにすることなどできるのでしょうか?なかなか難しいと思います。そのため、まず自分が幸せになり、それを他の人に分け与えていくというのが理想的な方法です。ですから、まずは自分の幸せを考えていきましょう。
 
ここからは、私たちがオススメしている幸せのことを知る3つの方法をご紹介いたします。

【幸せのことを知る3つの方法】
(1)幸せの境界線
(2)幸せの神様
(3)30人のリスト

(1)幸せの境界線

会社の目的 幸せを知る 幸せの境界線

幸せの境界線を考えていきましょう。上記画像のように真ん中に線を引いて、上部に「こうなったら最高だなあ」、下部に「こうなったら最低だなあ」ということを書き出しましょう。この両極端の2つのことを考えることで、自分が幸せを感じるバロメーターが見えてきます。このワークを通して、客観的な幸せではなく、自分自身が心から思っている幸せを明確にしましょう。
 
ちなみに、なかなかうまく書き出せない方は、「人生に大きな影響を与える3つのストレス」をヒントに考えることをオススメしています。

《人生に大きな影響を与える3つのストレス》
1.お金のストレス
2.好きなことが出来ないストレス
3.人間関係のストレス

この3つのストレスに関して、「こうなったら最高だなあ」と「こうなったら最低だなあ」ということを書き出してみてください。
 
言語化、明文化することで、自分自身の幸せの境界線が見えてきます。

(2)幸せの神様

会社の目的 幸せを知る 幸せの神様

2つ目の方法が幸せの神様というものです。
次のお話を想像しながら、ぜひ問いを考えてみてください。

“あなたの前に「幸せの神様」が現れたと想像してみてください。その神様はおもむろに「あなたのことを幸せにしてあげよう」と言いました。あなたは不審に思いながらも「お願いします」と答えます。幸せの神様は「承知した」と言って消えようとします。消える直前に、「そうだそうだ、あなたを幸せにするために、あなたが失いたくないものや人、関係性など3つ教えてくれ。それも失いたくない順番で教えてくれ。」と神様が言いました。あなたは3つのことを教えると神様は「あなたを幸せにする」と言って消えていきました。”

さて、もしあなたが幸せの神様に出会ったらこの3つはどのようなものを教えますか?少し考えてみてください。
 
3つ考えられましたでしょうか?
それではお話の続きです。

“神様と出会った翌日から、あなたは神様に伝えた失いたくないもの3つをどういうわけか失い始めます。1番失いたくないものを1日目に失います。2日目には、2番目に失いたくないものを失い、3日目には3番目に失いたくないものを失います。”

あなたは、どのような気持ちでしょうか?大切で失いたくないものを次々と失っていく感情はどのようなものでしょうか?

“4日目になり、神様がまた現れました。神様は「どうだった?」と聞いてきます。あなたは「どうもこうもないよ!大切なものが全てなくなったよ!」と怒り混じりに伝えます。神様は「そうだよね。ただ安心して。今までの3日間は全て夢だよ。君に夢を見させていたんだ。」と言いました。”

あなたはその時にどう感じますか?
 
 
多くの方はホッとしたのではないでしょうか。このお話から何をお伝えしたかったというと、私たちは既に大事なものを持っているということに気が付きます。
 
色々な経営者の方々とお会いして感じるのは、多くの方が「何かを成し遂げないと幸せになれない」と考えていることに気が付きます。しかし、今のお話のように「既に近くに幸せが存在している」ということにも気がつく必要があるのです。
自分の身近にある幸せを発見する」ということをぜひともしてみてください。

(3)30人のリスト

幸せを知る 30人のリスト

3つ目の方法が「30人のリスト」です。最も幸せな人は、人の幸せに貢献できる人です。ですから社長は最も幸せになりやすいのです。
 
では、どうやったら人の幸せに貢献できるかというと「30人のリスト」という方法をオススメしています。自分の周りでその人の幸せに貢献したい30人をリストアップしましょう。
 
なぜ30人かというと、1日1人その人の幸せに貢献すれば、1ヶ月で1周することができるからです。
毎日誰かの幸せに貢献するというのは素敵なことだと思いませんか?

会社の目的は「戦わない経営」で達成できる

自分自身の「幸せ」について考えることが出来たら、次は本題である「本質的な会社の目的=幸せになること」について考えていきましょう。
 
幸せになることを目指す「幸福追求型の経営」を実現するためにはどうすればいいのでしょうか?
幸福を追求したかったら、「誰かと戦う」ということから距離を置く必要があります。つまり「戦わない経営」を実践することが必要です。

会社の目的 戦ってはいけない

戦わない経営を実践するためには、4つのポイントを抑える必要があります。1つ1つ見ていきましょう。

戦わない経営を実践するための4つのポイント
(1)経営の設計をする
(2)競合相手と戦わない
(3)お客さんと戦わない
(4)仲間と戦わない

(1)経営の設計をする


戦わない経営を実践するために1番最初に取り組まなければいけないことが「経営の設計」です。残念ながら、目の前の経営状態がおぼつかないまま、関わる人を幸せにすることはできません。想いはとても大切ですが、想いだけじゃ経営は成り立ちません。社長・経営者として経営を理解し、経営を設計することが求められます。
経営とは何か?に関しては、別の無料レポートにまとめておりますので、経営の設計で何をするべきなのかと思った方はコチラを御覧ください。

経営とは何か 経営の設計

ここからは、より戦わない経営を本格的に実施するためになくすべき「3つの戦い」について説明していきます。
経営において関わる人とは、3C分析などで言われる3Cとなります。3Cとは「Competitor(競合他社)」、「Customer(お客さん)」、「Company(会社)」です。この3つの関わる人
との戦いを無くしていくことが戦わない経営では大切になります。

会社の目的 戦わない経営 3つの関わる人

(2)競合相手と戦わない(Competitor)


競合他社と戦わないために、必要になるのがポジショニングになります。ポジショニングとは市場における自社の存在位置を徹底的に考えること。競合他社と同じポジションを狙ってしまうと、どうしても限られたパイの奪い合いになり、戦うことになってしまいます。戦わずして勝つためには、ポジショニングを徹底的に考えましょう。 

(3)お客さんと戦わない(Customer)


お客さんと戦わないために、必要となるのがブランディングです。ブランディングが進んでいる会社には、お客さんではなくファンが生まれます。ファンが生まれると会社とお客さんの戦いは確実に減っていきます。
 
また、お客さんと戦わないためには、営業での工夫も必要なります。大事になるのは「売り込まない営業」です。世の中一般的には売り込むことが営業の仕事だと思われているものの、お客さんと戦わない関係を作るためには売り込みはご法度です。売り込まない営業を行うためには、営業の立ち位置を変えましょう。売り込みスタンスの「どうやって売るか」を考えるのではなく、「どうやったら買いやすくなるか」を考えましょう。戦わない営業をするためには「お客さんの購入支援業」が営業マンには求められます。

(4)仲間と戦わない(Company)


仲間と戦わないために大切なのが、チームビルディングです。戦わないための理想のチームはどのようなものでしょうか?
 
それは、「自立型のチーム」です。自立型のチームとは「自ら考え、自ら判断し、自ら行動し、自ら成果を出す」チームのことです。このようなチームを作るときに、リーダーが取るべきリーダーシップが「サイレントリーダーシップ」です。
サイレントリーダーシップを実践するときには特に次の2つを抑えましょう。

1  操作主義からの脱却


リーダーシップとは「人を動かす」ことです。ただ、動かされる方は、操作されて楽しいのでしょうか?ほとんどの人が楽しくないと答えると思います。ですから、サイレントリーダーシップを行うためには、操作主義からの脱却が必要になります。操作主義に変わって大事になるのが、内発的動機です。内発的動機をベースに「人を動かし」、自立型組織をつくっていきましょう。

2  自立型組織の原点


自立型組織の原点は「仕事が人生で持つ意味を伝え続けること」です。仕事が人生で持つ意味を理解した者は、「勝手に仕事を大切にし始めます」。詳細に関しては、書籍『仕事は味方』で記載しているので、そちらもぜひ参考にしてください。
 
仕事が人生で持つ意味を伝える上で、活用できるのがCREDO(クレド)です。クレドとは、企業全体の従業員が心がける信条や行動指針のことです。クレドは一見すると難しそうですが、「あなたがメンバーに実行して欲しい10カ条」をまとめ、それを社内に浸透するということから始めるのでも十分な効果が出てきます。社会の先輩として、仕事の先輩として、仕事で大切にして欲しい考え方を伝えていきましょう。仕事の意義を伝え続け、働くみんなの仕事観を高めていきましょう。
 

最後の戦い

会社の目的 戦わない経営 最後の戦い

戦わない経営を実践することができると経営が変化してきます。それは、経営が「ストレスの発生源」から「癒やしの発生源」になるという変化です。この状態を目指すことがどの経営者にとっても理想だと思います。
 
ただ、戦わない経営を実践するためには、「超えなければならない最後の戦い」があります。それは、「人が持つ弱さとの戦い」です。
 
戦わない経営が実践でき、会社が長い期間戦わない経営の状態を保つことができると、全員が「平和ボケ」するという状態になってしまいます。「平和ボケ」は自己成長を促さないです。人間の成長=(イコール)人間の幸せです。そのため、成長が止まってしまうと幸せから遠ざかってしまいます。そうならないために、「人の弱さ」を忘れてはいけません。
 
特に気をつけなければいけないのが、基準に関してです。人は、基準が曖昧だと基準を差が続けるという弱さを持っています。ですから、基準の明確化は、最後の戦いである人間の弱さと戦うために欠かせないポイントとなります。
 
以上が、会社の目的である「幸福追求型の経営」を実践する「戦わない経営」の取り組み方です。1つ1つ取り組み、関わる人全員が幸せになるよう経営変革していきましょう。

まとめ

会社の目的は「幸せ」になることだということで、今まで説明してきました。
経営とは本来、人が人のために行う人の活動です。ですから、関わる人が幸せになることを目指しましょう。
 
関わる人を幸せにするためには、まずは社長は「幸せの専門家」じゃないといけません。幸せのことを知るためにまずすべきことは、自分の幸せを真剣に考えることです。
 
自分自身の「幸せ」について考えることが出来たら、次は「幸福追求型の経営」の実現を考えましょう。幸福を追求したかったら、「誰かと戦う」ということから距離を置く必要があります。つまり「戦わない経営」を実践することが必要です。
 
戦わない経営を実践するためには(1)経営の設計をする(2)競合相手と戦わない(3)お客さんと戦わない(4)仲間と戦わないを取り組んでいきましょう。戦わない経営の最後の戦いとして、「人が持つ弱さとの戦い」にも手を打ちましょう。これらの取り組みの結果、戦わない経営が実践でき、幸福追求型の経営が達成されます。

プレゼント:最初の第一歩

幸福追求型の経営や戦わない経営を実践したいと思っていても、「どんな最初の一歩が良いのか?」と迷う方もいらっしゃると思うので、最初の一歩をプレゼントしたいと思います。
 
今回ご用意したのは、浜口自身が「戦わない経営」について語る動画です。戦わない経営が出版されて10年を記念した講演会の映像です。
当時の講演会には200名以上の経営者が全国から集まり、戦わない経営について学んでいただきました。
 
この講演動画は、一部の方のみに公開している内容です。なので、ここでそのまま公開はできないのですが、お申し込みフォームにお名前とメールアドレスだけ入れて頂ければ、動画が無料で視聴できる場所(URL)をお送りします。
 
 
あなたの経営が幸せに近づく1歩となることを願っています!

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