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健康経営で費用対効果3倍⁉︎|5つのメリットと導入方法を解説

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健康経営とは

うつ病。
職場メンタルヘルス。
長時間労働の常態化。

 

年々、働く世代の健康問題を耳にする機会が増えてきています。

実は健康問題を引き起こす大きな原因となっているのが、職場環境です。

一日の大半を働くことに費やす社会人にとって、職場環境は非常に重要になります。
もしも職場環境が悪ければ、従業員の健康を害する可能性が高まるのです。
ですがそう簡単に職場環境を改善することはできません。

そんな悩みに対して政府は、従業員が元気に働けるよう職場環境の改善に取り組んでいる企業を奨励するようになりました。それが「健康経営」です。

実は「健康に働く」ということは、単なる心身の健康だけではなく、経営的なメリットも含んでいます。次の実例をご覧ください。

 

SCSK株式会社(情報・通信業 社員数 約14,000名)では、健康経営に取り組むことによって、月間平均残業時間が約10時間の大幅減少に成功(2011年度27.8h→2018年度18h)。2018年度の営業利益は前年度比約111%の増加を記録しています。

▼健康経営銘柄2020選定企業紹介レポートより(p.20)
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/downloadfiles/set_meigara_report2020.pdf

 

これほどの効果を発揮する”健康経営”とは一体何なのでしょうか?
本日は、そんな”健康経営”についてお話ししていきます!


 

”健康経営”の定義

まず”健康経営”とは何か?経済産業省によると、
『健康経営とは、従業員の健康保持・増進の取組が、将来的に収益性等を高める投資であるとの考えの下、 健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践すること』とされています。

▼経済産業省より(p.12)
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/01metihealthcarepolicy.pdf

自社の経営理念に基づき、健康保持・増進に取り組むことは『従業員の活力向上』や『生産性の向上』等の組織の活性化をもたらす。その結果、業績向上や組織としての価値向上へ繋がることが期待されています。

つまり、健康経営に取り組むことで

・従業員の活力向上
・生産性の向上
・業績の向上
・組織としての価値向上

といったメリットが得られます。

しかしこのままでは具体性に欠けます。
もう少し細かく見ていきましょう。


 

健康経営を理解するポイント「費用ではなく、投資であると考える」

健康経営を理解するポイントは「費用ではなく、投資であると考える」ことにあります。

ここで重要なのは、従業員の健康保持・増進の取組のために使用される時間や金銭は”費用”ではなく”投資(健康投資)”と考えられている点です。

経済産業省は「健康投資をすることで企業が有意なリターンを得た代表的な例」としてジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)社を取り上げています。

ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)社はグループ250社、約11万4000人に健康プログラムを提供しました。この投資に対するリターンを試算したところ、健康経営への投資1ドルに対し、リターンが3ドルになったという調査結果を出しています。つまり、健康経営への投資は3倍になって返ってきたということです。


 

投資で得られるメリットは!?

 

具体的な投資内容とリターンは以下の通りです。

【 企業が負担する健康投資費用 】
人件費
(健康・医療スタッフ・事務スタッフの充実)
保健指導等利用費、
 システム開発・運用費
設備費
(診療施設・フィットネスルーム等の整備)

【 企業が得られる投資リターン 】
・生産性の向上
・医療コストの削減
・モチベーションの向上
・リクルート効果
・イメージアップ

▼経済産業省より(p.13)
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/downloadfiles/180710kenkoukeiei-gaiyou.pdf

人・システム・設備に投資をすることで、その3倍の利益を生む可能性が健康経営にはあります。
それでは、5つのメリットを細かく分けて見ていきましょう。


 

プレゼンティズム と アブセンティズム

 

メリットを詳しく説明する前に、前提知識として「プレゼンティズム」と「アブセンティズム」についてお伝えします。

プレゼンティズムとは、
出勤しているにもかかわらず、心身の健康状態が十分ではなくパフォーマンスが十分に発揮されない状態のことです。肩こりや腰痛など、従業員が抱える慢性的な悩みの多くは、このプレゼンティズムにあたります。「体調不良と言うと大袈裟かもしれないが、万全であるとは言えない」という状態のことです。

アブセンティズムとは、
心身の健康状態が十分ではなく、遅刻や早退、欠勤・休職といった業務が行えない状態のことです。高熱や吐き気など、目に見えて大きな症状であるのが特徴です。「体調不良で欠勤」という場合がまさにアブセンティズムな状態であると言えます。

先ほどご紹介した健康経営の5つのメリットは、プレゼンティズムとアブセンティズムが直接的な原因となっている「従業員一人ひとりに関する側面」と「企業全体としての側面」に分けられます。

従業員一人ひとりに関する側面
・生産性の向上
・医療コストの削減
・モチベーションの向上

これら3つのメリットは、主にプレゼンティズムとアブセンティズムの改善によって生み出されています。肩こりや腰痛などの慢性的なプレゼンティズムは、知らず知らずのうちに従業員の生産性を低下させています。その肩こりがなければ、作業効率は今より上がるはずです。よって、プレゼンティズムを改善することで、多くの従業員の生産性が向上します。

次に医療コストの削減についてです。こちらは主にアブセンティズムの改善によって解決できます。従業員がアブセンティズムに陥り欠勤をすれば、その日の生産性が下がるだけではなく、医療費が会社側にも降りかかります。そのため、アブセンティズムを改善し、医療機関に受診する従業員を減らすことで、医療コストの削減が見込めます。

最後に、モチベーションの向上について。生産性の向上と医療コストの削減が行われることで、従業員は以前にも増して生き生きと働くことが見込まれます。その結果、ハツラツに働く同僚に触発される人が現れたり、従業員同士の快活なコミュニケーションが生まれるなどの職場環境の好循環が生まれます。これにより、モチベーションが向上する可能性が高いです。

企業全体としての側面
・リクルート効果
・イメージアップ

また、健康経営への投資は、対外的な面でも企業にメリットがあります。
転職や新卒の学生において、企業の福利厚生を重視する人は少なくありません。健康投資を行っていれば、希望者増加の可能性や対外的な評価が上向きになる可能性があります。

続いては、健康経営を行う企業が社会的に評価を受けやすくなっている点について解説します!
 


評価される企業へ

 

単純に社内の人間を健康にするためだけの健康経営を行うと、企業内部の人間にしかその取組みを知られることはありません。そこで、日本政府は健康経営を行う企業がステークホルダーに正当に評価されるための仕組みを作成しました。それが『健康経営優良法人』の認定です。

日本政府は2016年度より、優良な健康経営に取り組む法人を「見える化」しようと取り組んでいます。
従業員や求職者、関係企業や金融機関などから「従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる企業」として社会的に評価を受けることができる環境を整備しています。

優良な健康経営を行い、政府に認められた法人は『健康経営優良法人』に認定されます。

 


健康経営優良法人のメリットは4つ


健康経営優良法人として認定された100社以上の企業を対象に行ったアンケートでは、以下の4つのメリットが挙げられました。

①心身の健康関連(個人の心身の健康状態の改善による生産性の向上)
②企業イメージの向上
③コミュニケーション等の向上
④労働時間適正化や有給消化率の向上

(「経済産業省 健康経営の推進」より

https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/downloadfiles/180710kenkoukeiei-gaiyou.pdf )

健康経営を行うと、内部、外部両面での利益が観測されました。
投資に対するリターンが大きいと感じる企業が増え始めているのかもしれません。

実際、健康経営優良法人の申請数は年々増加傾向にあります。

健康経営優良法人2020(中小規模法人部門)は、昨年の約2倍となる6095法人からの申請があり、そのうち4816法人が認定されました。(認定率79%)

さらに、メディアからの注目度も上がってきているようです。
”健康経営”に関するメディア露出数は近年顕著に増加しています。

「健康経営」をキーワードに、記事数を調べると
2013/04/01~2018/11/30 の約6年間で、281記事。
2018/12/01~2020/02/29 の約1年3ヶ月で286記事。

荒っぽい計算ではありますが、2018年以降は、それまでと比べるとメディア露出の数が約4倍になっていると言えます。それだけ近年の注目度が上がってきているということでしょう。

健康経営が見える化され、ワークライフバランスが注目されている今、健康経営は企業の露出を増やし、企業イメージの向上・知名度アップにも繋がると考えられます。これらを踏まえると、メリットは4つに留まらないかもしれませんね。

 


国や自治体からのインセンティブも


国や地方自治体による健康経営優良法人に対するインセンティブ・支援策も用意されています。
地方自治体では、中小企業融資制度における貸付利率の引下げや補助金の優遇を行っている場所などもでてきています。

▼具体的なインセンティブはこちら(p.5より)

https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/downloadfiles/180710chushohenofukyu.pdf


健康経営に取り組むべき企業の特徴3選

 

ここまで、具体的なメリットや制度について解説し、健康経営に取り組むか興味を持った方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここでは、健康経営に取り組むべき企業の特徴を3点ご紹介します。自社に当てはまるポイントがあるかどうかぜひチェックしてみてください。
 


①人材不足で労働時間が長い

人材が不足し、一人当たりの労働時間が長い企業の場合、多くの従業員がプレゼンティズムである可能性があります。まとまった時間が取れないため、休養や通院ができず、慢性的な疲労を抱えた状態で出勤する人も少なくありません。この場合、一人ひとりの生産性がますます低下する可能性もあるので、早い内に手を打つべきかもしれません。
 

②中高年層の従業員が多い

30代後半の従業員が多い場合は、検討の余地ありです。この年代から、退職を余儀なくされるような重病への疾患リスクが大きく上がってきます。日々の慢性的な疲労が大きな病へと進展してしまう可能性も否定できません。特に、従業員の多くが中高年であれば、真剣に考える必要があるかもしれません。
 

③頻繁に休みを取る社員が多い

こちらはアブセンティズムの問題です。出勤ができなくなるほど心身の健康状態が悪化している社員が多くいる場合、欠勤による生産性の低下に加え、医療コストの増加、最悪の場合は退職のリスクさえあります。早い内に職場環境を改善することが必要かもしれません。


具体的な取り組みのご紹介

 

では、実際の中小企業はどのような健康経営を取り組んでいるのでしょうか?経済産業省が「健康経営優良法人2019」認定法人を対象に、取り組み事例を作成しています。

【社会福祉法人 大州育成園】
生活支援事業で、社員は利用者と共に20分の歩行運動を行っています。また、施設の入り口から良く見えるところに「健康経営優良法人」認定の看板等を掲げて、地域住民等へ取り組みを発信しています。健康経営の”見える化”によって地域住民からの信頼や協力を得ているようです。

 

 

健康経営 事例

 

【株式会社 弘】
焼肉店の運営している会社です。年に一回、アルバイトを含む全社員参加の運動会を開催しています。社員がホストとなり、アルバイトをもてなす仕組みです。 全社員が集まる機会はこの運動会以外ないので、コミュニケーションの場として楽しまれています。

 

 

健康経営 事例 運動会

 

その他、取り組み事例の詳細は以下をご覧ください。

▼ 取り組み事例(p.12より)
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/downloadfiles/kenkokeieiyuryohojin_jireisyu200327.pdf

 


 

導入ステップ

 

最後に、小さく健康経営を導入するステップをご紹介します。
自社では、どのようにして健康経営を取り入れることができるか以下のステップを参考にしてみてください!

(0:取り組み事例を読む)
1:健康宣言を行う
2:実施環境を整える
3:施策を実行する
4:施策を評価する

1:健康宣言を行う
社員に対し、健康を意識した取り組みを行いたいという意思を伝えることがファーストステップです。健康経営に投資することで、より企業として成長できることが伝われば、賛同者が増え、健康経営を行いやすくなるでしょう。

また、取り組みがうまくいき始め、いよいよ健康経営優良法人の申請を行うぞ、という時には「健康宣言」という文書が必要になります。健康宣言は、社内外に対して経営理念として健康経営を取り入れる意思表明をするための文書です。最初から用意する必要はないものの、早いうちから社内で意識の醸成ができていれば、文書作成のハードルは下がります。

健康宣言の例文と具体的な取り組みはこちら
(https://www.kyoukaikenpo.or.jp/shibu/hyogo/cat070/2016082401/20200402/ )

2:実施環境を整える
健康経営を行う意思を表明したら、担当者を決めるのが望ましいでしょう。
現状の社員の健康状態や自社の空間的、時間的リソースを考慮した上で現状取り組める健康的な行動を考える必要があります。担当者を決め、一気に推進していくことが健康経営への近道です。

3:施策を実行する
担当者が決まり、必要な情報を集めたらついに施策を実行する時。

社内で始める場合、初期費用がなるべくかからないものから実行していき、自社に合った取り組みを見つけていくと良いと考えられます。スマートフォンに標準搭載されている歩数計アプリの数値を紙に書き出し、社内で可視化している企業もあるようです。

取り組みやすい施策
・ラジオ体操
・施設内の分煙
・アプリで歩数を計測
・ランチ後ウォーキング

4:施策を評価する
実行から1ヶ月程度したら、効果測定を行います。
社員の声などを収集し、次の取り組みに活かしていきます。全く体を動かしていなかった社員が、1ヶ月間毎日ラジオ体操を行うだけでも、かなり体の変化を感じて、健康経営に賛同する人も徐々に増えていくかもしれません。

健康宣言は自治体によって呼び方が異なります。
各自治体の名称検索はこちら
(
https://www.tokyo-cci.or.jp/kenkokeiei-club/1501/
)

 

まとめ


いかがでしたでしょうか?
今回は健康経営についてご紹介いたしました。
取り組み事例を見て分かる通り、たった20分の歩行運動が健康経営になり得るのです。
ほんの少し、時間をとるだけ。それも立派な健康経営です。

お金に余裕がある大企業だけではなく、小規模でも健康的で有意義な活動をしている中小企業が身近に存在しています。
今回の記事を通して、ご自身の会社で踏み出せる「小さな一歩」は一体何か、考える機会になれば幸いです。



【監修】
野田 拓志
株式会社 ビジネスバンクグループ
経営の12分野ガイド
早稲田大学非常勤講師

大学時代、開発経済・国際金融を専門とし、 その後「ビジネス×途上国支援」を行う力をつけるために一橋大学大学院商学研修科経営学修士コース(HMBA)へ進学。 大学院時代に、ライフネット生命の岩瀬氏や元LINEの森川氏に対して経営戦略の提言を行い、そのアイデアが実際に事業に採用される。 現在は、「社長の学校」プレジデントアカデミーの事業部長として、 各地域の経営者の支援やコンサルティングを行う。2017年4月からは早稲田大学で非常勤講師として「ビジネス・アイデア・デザイン(BID)」を行う。

 


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