あなたの会社のメンバーは、
 あなたの期待する範囲を超えて、
 大胆な行動をしてくれますか?」

社長にこの質問を投げかけると、
多くの方が、首を横に振ります。

そう。

「本当に多くの方が」、
首を横に振るのです。

それにしてもいったい、なぜ、
多くの会社で
同じことが起こるのでしょうか?

そこには、
「2つの大きな理由」があるのです。

果たして、その理由とは・・・?

1. 大胆な行動をしない「2つの理由」

「もっと、
 “枠”を超えて行動して欲しいんだよなぁ」

「もっと“積極的に”
 仕事に取り組んでくれたらなぁ」

「もっと“経営者視点で”
 行動して欲しいんだよなぁ」

日本全国の社長さんとお話をしていると、
こんな話題を、よく耳にします。

一度や二度ではありません。

本当に、多くの社長さんが、
同じような悩みを抱えているのです。

いったい、なぜなのでしょうか?

そこには
「2つの大きな理由」があると、
僕は考えています。

ポイントは「ある違い」。

何も対処をせずに放っておくと、
社長とメンバーには、
大きな「違い」が生まれてしまうのです。

2. 理由①:感覚の違い

一つ目は「感覚の違い」。
僕はよく「家」のたとえ話を使います。

社長や創業者は、言うまでもなく、
会社を「我が家」だと思っています。

そして、メンバーに対して、
「自由にやってくれよ」と
言ったりする。

この時、社長の頭の中には、
次の前提があります。

「メンバーもまた、
 会社を“我が家”だと考えている」

しかし、
これが大きな間違いなのです。

メンバーは通常、
会社に対して「居候」だと考えています。

この違いを理解していない限り、
メンバーから「大胆な」行動は
引き出せません。

「え、どういうこと?」

「家」の例で考えてみましょう。

例えば、居候している家の主が、
こう言ったとします。

「変に気を使わなくていいからね。
 何でも自分の思い通りにやってね。」

そう言われたからといって、
居候は「家具の配置を変える」ことを
考えたり、実行したりするでしょうか?

おそらく、しないですよね。

「家の構造を変える」ことや、
「家のルールを変える」ことはせず、
「その家のルール内で」行動するはず。

つまり、居候に対して
「家具の配置などから含めて」
考えたり、行動して欲しいのであれば、

「家具の配置も変えて欲しい」
「家のルールに対しても意見が欲しい」と
伝える必要があるのです。

会社でも、同じことが言えます。

つまり、
メンバーに「大胆な行動」を
して欲しいのであれば、

「これもして良いからね」
「これも期待しているよ」と、
相手に伝えてあげる必要があるのです。

ビジネス的な言葉で言えば、これは、
「職務権限規程」と呼ばれたりします。

「あなたは、この範囲の仕事まで、
 考えたり実行する権利があります」と
「職務の範囲」を記したものですね。

あなたの会社メンバーから、
大胆な行動が出てこないとすれば、
コレが問題かもしれません。

もしくは、次の
「もう一つの理由」が問題かも・・・。

3. 理由②:アクセスできる情報の違い

突然ですが、ここで問題です。

「大統領や首相など、
 一国の最高権力者になった人が、
 “例外なしに驚くこと”があります。

 それは、いったい何でしょうか?」

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正解は、
「“情報”の量の多さと、質の高さ」です。

そう。

最高権力者には、
“その人にしかアクセスできない情報”が
与えられるのです。

さて、
もう一つ問題です。

「あなたには“国策”に関する
 大きな決断ができるでしょうか?」

答えは「ノー」ですよね。

なぜなら、
「情報が足りない」から。

おわかりでしょうか。

これと同じ状況が、
私たちの社内でも起きているのです。

「え、どういうこと?」

つまり、社長とメンバーでは、
「情報の量と質」が違うのです。

例えば、社内の会計情報や、
財務三表をオープンにしていないとする。

その場合、
「そのレベルでの」決断や行動が、
メンバーから出てくることはありません。

(逆に、情報公開をしていても、
 ①の「許可(権限規程)」がなければ、
 行動は引き出せません。)

「自立・自走する組織」をつくるには、
「情報公開」が不可欠なのです。

***

あなたの会社では、
今回の「2つの違い」について
対策をしているでしょうか?

社員から
「大胆な行動を引き出したい」ときには、
ぜひ、確認してみてください!

<本日の質問>・・・・・・・・・・・・

Q1.「職務権限」を規程しているか?

Q2.「必要な情報」を公開しているか?

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ライター:黄塚 森


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