朝。
珈琲の豆を挽き、ドリップする。

何百日と続けてきた、
僕の日常です。

ドリップというのは、
とても繊細な作業。

使用するポットに
大きく左右されます。

つい先日、
僕は長年つかってきた
ポットを新調しました。

わかってはいたものの、
長く続けてきたものを変えるのは
難しいものですね。

やっぱり、新しいポットでは、
思ったようにドリップできません。

慣れるまでに何回、
「もとのポットでやろうかな・・・」と
思ったことか^^;

「変わる」ということは難しい。

それは、どんな個人も、
どんな組織も同じです。

しかし、なぜ、人や組織は、
簡単には変われないのでしょうか?

実はそこには、
「変わることを阻む構造」があるのです。

その構造とは、いったい・・・?

今回はそんな、
人と組織が「変わる」ための、お話です。

1. 行動を変えるとは、◯◯を変えること

もし私たちが単純に、
「行動を変える」ということが
できるのであれば、

人や組織は簡単に
「変わる」ことができるはずです。

でも実際は、そうではありません。

では、「行動を変える」とは、
いったい何を意味するのでしょうか?

それは・・・

「思考を変える」こと。

普段は、あまり意識をしませんが、
「思考」と「行動」は、
密接に繋がっているのです。

マザーテレサも、
こんな言葉を残しています。

▼マザーテレサの言葉・・・・・・・・・

 思考に気をつけなさい、
 それはいつか言葉になるから。

 言葉に気をつけなさい、
 それはいつか行動になるから。

 行動に気をつけなさい、
 それはいつか習慣になるから。

 習慣に気をつけなさい、
 それはいつか性格になるから。

 性格に気をつけなさい、
 それはいつか運命になるから。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ただ単に「行動」を変えても、
すぐに元に戻ってしまう。

その原因は「思考」が
変わっていないからなのです。

では、
行動や習慣を「変えよう」とするとき、
そこには何が起こっているのでしょうか?

2.「変われない」の構造

私たちが意識しなければならないのは、

「人はそもそも
 変わらないようにできている」

ということです。

人間も含めた生物は「生き残る」ことを
最優先に考えています。

「現状で生きられている」のであれば、
「何かを変える」のはリスクなのです。

つまり、私たちが何かを変えるとき、
そこには必ず「免疫反応」のような
抵抗が起こります。

▼「変われない」の構造

 ーーーーーーーーーーーー
 | ① | ② | ③ |
 | 変 | 阻 | 免 |
 | 化 | 害 | 疫 |
 | 目 | 行 | 反 |
 | 標 | 動 | 応 |
 |   |   |   |
 ーーーーーーーーーーーー
 |           |
 | ④価値観/思い込み |
 |           |
 ーーーーーーーーーーーー

それぞれの項目を、
詳しくみていきましょう。

<① 変化目標>

 行動や習慣をどう変えたいかという
 目標のこと。

 ex. 10kgダイエットする

<② 阻害行動>

 ①の達成を
 邪魔している行動のこと。

 ex. ついつい甘いものを食べてしまう

<③ 免疫反応>

「②をしてしまう理由」のこと。

 ②をするのには必ず、
「それによって得られるメリット」が
 存在します。

 それはいったい何なのか?を考え、
 書き出していきます。

 ココを考えるのが、
 とても重要なポイントです。

 ex. スイーツを食べると
    ストレスが解消できる

<④ 価値観/思い込み>

 ①〜③は、個人ごとの
 価値観や思い込みが支えています。

 では、どんな価値観が、
 上記の行動を起こさせているのか?

 それもまた、
 深く考える必要があります。

 本当の意味で行動を変えるためには
「思考」を変える必要があるのです。

 ex. 突発的なストレスを解消するには
   スイーツを食べるのが一番
  (だと思い込んでいる)


この構造は④→①の順番で
行動を生み出していきます。

つまり、

価値観が、
免疫反応のメリットを生み、

免疫反応のメリットを得るために、
阻害行動が起き、

阻害行動が起こるから、
変化することができない。

どんな人でも、
新しい行動や習慣を取り入れるときには、
このような「免疫反応」が起こります。

この構造を知った上で、
「変わる」ことを目指すことが
必要なのです。

3. 人と組織が「変わる」ために

人はなぜ、
行動を習慣化するのでしょうか。

それは、その行動が
「うまくいくから」です。

人は「何かメリットが得られるから」、
同じ行動を繰り返すのです。

メリットとは
「自分が得だと感じること」。

それは「価値観」から生まれます。

その「既存の得」が、
「新しい行動によって生まれる得」を
上回らない限り、行動は変わりません。

つまり、個人でも組織でも、
「行動を変える」ためには、
「価値観」を変えざるを得ないのです。

組織に変革を起こすときには、
それがどんな変化であれ、
大なり小なり反発が起こります。

その正体は、この「価値観」。

もちろん、価値観の書き換えは、
簡単なことではありません。

しかし、仕組みさえわかっていれば、
対応することができます。

個人でも組織でも、
「何かを変える」ときには、
今回の構造を思い浮かべましょう。

そして、少しづつ、でも着実に、
変化を起こしていきましょう!

ライター:黄塚 森


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