「宅配寿司」と聞いて、皆さんは
どんなネタを思い浮かべますか?

マグロの赤身にサーモン、
エビに玉子もいいですよね。

しかし、ある「お寿司屋さん」では、
どうやら様子が違っているようです。

なんと、
一番人気のネタは「捨てる魚」!?

いったい、
どういうことなのでしょうか・・・?

1.「ヤミ鍋のような寿司」がバカ売れ!

とある宅配寿司の専門店には、
不動の人気商品があります。

その名も「おまかせセット」!

・・・。

「何だ、普通じゃないか。」

そう思ったあなた!
ちょっと待ってください!

実はこのお寿司、
ネタが全く「普通じゃない」のです。

このお寿司、「未利用魚」と呼ばれる
通常は捨ててしまう魚を使っています。

 ・大きさが不揃い
 ・鮮度が極めて落ちやすい
 ・調理が面倒 などなど

理由は様々ですが、
「買い手がつかない魚」たち。

こういった魚を格安で仕入れ、
寿司ネタとして提供しているのです。

ただし、この方法では毎回、
どんな魚が入るか予測ができません。

だからこその
「おまかせセット」なんですね。

この「おまかせセット」。
20年以上に渡って売れ続けています。

つまり、周囲の同業者も

「これを真似すれば、売れる!」

ということが、わかっているのです。

しかし、真似するお店は
一向に現れないと言います。

いったい、なぜなのでしょうか?

2.「誰もやらない」に、チャンスが潜む

理由は、とても単純です。

「手間がかかるから」。

未利用魚は、
よく見る魚の規格外サイズから、
足が付いた深海魚(!!)まで、
本当に様々です。

「さばき方がわからない」

なんてことは、日常茶飯事。

さらには、
ヒレに毒を持つ魚や、
トゲを持つ魚もあり、怪我も多いそう。

加えて、
サイズに関する問題もあります。

一般的な大きな魚(カンパチなど)を
仕入れれば「5分」ほどで
200貫分のネタを切り出せます。

しかし未利用魚の中には
小さな魚(クロムツなど)もあり、

こちらは、
さばくのに「5〜10分」かかるのに、
わずか2貫分のネタにしかなりません。

つまり、
圧倒的に「非効率」なのです。

皆さんは、この「非効率」を、
どう考えますか?

実は、この「非効率」は、
「だからこそ」、チャンスなのです。

3.「戦わずして勝つ」場所は、ココにある

「手間がかかる」「面倒だから」
という理由で、他社がマネしない。

そしてお客様には、支持される。

これこそ、「戦わない経営」が
目指す場所のひとつです。

「誰もやらない」からこそ、
戦わずして、勝ち続けることができます。

私たちのような会社に求められるのは
「効率」ではなく「効果」です。

手間がかかっても、非効率であっても、
まず求めるのは

「他社が真似できず」
「顧客に大きな価値を届けられる」もの。

ここさえしっかりと押さえていれば、
商売は、そう簡単には揺らぎません。

皆さんの業種・業界でも

「面倒だから」
「手間がかかるから」

という理由で、他社が手をつけたがらない
場所はないでしょうか?

そこにこそ、「大きな宝」が
眠っているかもしれません。

ライター:黄塚 森


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