息子が産まれて、
 2年が経ちました。

 子どもを持つと
 否応なく向き合うことになるのが
「子育て」。

 関連の書籍も、
 読む機会が増えます。

 子育てと向き合うようになって
 改めて感じるのは、

「人を育てるって、難しいなぁ」
 ということ。

 一方で、日々の仕事に活かせる
 収穫もまた、多くあります。

 子どもは最も「純粋な」人間の状態。

 だからこそ、
「子育て」に効果的な方法は、
「育成」全般に有効なはず。

 今回は「子育て」に関する
 試行錯誤の中から得た、

 社員の育成に役立つ
「感情の話」を、お伝えします。

「感情」を「我慢」していませんか?

 子育てにおいて重要なことの一つが
「自分の感情を伝える」ことです。

 多くの場合、親は子どもに
 自分の感情を伝えようとしません。

 特に「負の感情」は、
 伝えるべきでないと考えていることが
 多いものです。

「嫌だ」「イライラする」
「不安だ」など。

 どんなに子どもが、
 自分にとって不快な行動をしようと、
「我慢」をしてしまいます。

 しかし、これが間違いなのです。

なぜ「不快な行動」は繰り返されるのか

 大人は、こう思います。

「ああ、またやってるよ。
  イライラするな・・・。

  どうして何度言っても
  同じことをするんだろう。

  でも、自分は大人だ。
  我慢しなければ・・・。」

 一方で、子どもは
 どう感じているのでしょうか?

 なぜ、
 不快な行動を繰り返すのでしょうか?

 真実は、これです。

「大人がそんなに嫌がっているなんて、
  微塵も思っていない。」

 そう!
 気づいていないのです!!

 考えてみれば、当たり前のこと。

 だって、あなたは、
「自分の抱いている感情」を、
「相手に伝えていない」のです。

 頭の中で考えているだけのことが、
 相手に伝わる訳がありません。

 だから、しっかりと感情を伝えると
 多くの場合、子どもは行動を変えます。

「お父さんは、君が◯◯すると、
  すごくイライラするんだ。

  なぜかというと、
  これこれこういう理由があるから。

  だから、◯◯は嫌なんだ。」

 子どもは親の感情を理解すると、
 多くの場合、行動を変えます。

 完全に辞めることはなくても、
 少しでも迷惑がかからないように
 やり方を変えます。

 なぜかというと、そもそも
 子どもは「親を困らせよう」とは
 考えていないからです。

 社員に「感情」を伝えているか

 そしてこれは、大人でも同じこと。

 社員の行動が目についたとき、
 あなたは「感情」を言葉にして
 伝えていますか?

「何やってるんだ!」
「ふざけるな!」
「その行動をやめろ!」

 これらの言葉は、
 感情を伝えていません。

 感情を伝えるには、
「私は」「◯◯と感じている」という
 言い方をする必要があります。

 例えば・・・

「君が◯◯すると、
  僕はすごく悲しい気持ちになるんだ。
  なぜかというと・・・」

 感情が伝われば、
 相手は行動を変える可能性が
 高いのです。

 逆に「素直な感情」を
 言葉にして伝えないままでいると、
 人間関係に大きな問題が起こります。

その「矛盾」が「不信」を生み出す

 子供の場合で考えてみましょう。

 大人が心では「嫌だ」と思いながら
 我慢をしているとします。

 そして、子どもには
「全然いいよ!」と伝えるとする。

 このとき、
 子どもは大きな矛盾にさらされます。

 大人は、言葉では
「いいよ」と言っている。

 しかし、その「言い方」や
「態度」「雰囲気」を見ると、

 どう見ても
「良い」とは思っていない。

 これが繰り返されると、
「不信」が生まれます。

 つまり、
 親の「言葉」はあてにならない。

 顔色を伺って、
 判断しなければならない。

 そう、子どもたちは考える。

 そして、私たちの「言葉」は、
 相手の心に届かなくなるのです。

 私たちは

「発する言葉」と
「自分の感情」を一致させ、

「一貫性」をつくる必要があります。

 これは、大人でも同じこと。

 社員に対して、
 言葉では「容認」をしたり、
「褒めたり」する。

 しかし、心では全く思っていないし、
 態度にもそれが出てしまっている。

 そうしたことが繰り返されると、
 社員は、あなたの「言葉」ではなく、
「顔色」を伺うようになります。

「言葉が、
 その言葉の意味では伝わらない。」

 これは、とても怖い状態です。

***

 言葉が力を失ってしまうと、
 コミュケーションは格段に
 難しくなります。

 常日頃から
「言葉」と「感情」を一致させ、

 言葉に出して、
 感情を伝えていきましょう!

ライター:黄塚 森


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