勇気づけのリーダーシップ

勇気づけのリーダーシップ

 

 

本日は”勇気の伝道師”岩井俊憲先生にお越しいただきました。

 

『嫌われる勇気』『アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉』など

近年アドラー心理学は話題となっておりますが、今回ご登壇いただきました

岩井俊憲先生は30年以上前からアドラーを研究されているまさにアドラーの専門家です。

 

今回のテーマは『勇気づけのリーダーシップ』。

 

アドラー心理学をビジネスの現場で、家庭で、個人生活で、
どのように活かしていくのか、お話を伺いました。

 

 

「勇気づけのリーダーシップ」とは

 

 

 「勇気づけ」とは困難を克服する活力を与えることです。
 「リーダシップ」とは目標達成に向けて影響力を行使することです。

 

   つまり、「勇気づけのリーダーシップ」とは、困難な状況においても

   目標達成に向けて周りに影響力を発揮する際に有効なものである。

 

と岩井俊憲先生はおっしゃいます。

 

例えば、
会社内において、プロジェクトを成功に導くとき。
家庭において、良い関係性を築いていくとき。

あらゆる場面で、誰もがリーダーシップを発揮する必要があります。

そんなときに現実を変えられるのは「他の誰か」ではありません。
常に「あなた」がリーダシップを発揮して現実を変えていく必要があるのです。

 

アドラー心理学の影響を受けた「7つの習慣」コヴィー博士は「インサイドアウト」

という言葉を使っておりますが、岩井俊憲先生の言葉で言うと「自己変革なくして

組織変革なし」。何かを実現するためにはまず、自身が変わる決意することが大切

ということです。

では、具体的にどのように周囲を勇気づけ、

目標達成に向けた良い影響を与えていけば良いのでしょうか。

 

 

褒めてはいけない、叱ってもいけない…?

 

 

アドラー心理学では「恐怖や支配による操作」を否認しています。

 

 「アメとムチ」のようにご褒美と罰を設けて、人を動かそうとしていませんか?
   部下を「Why」攻めにして恐怖を与えていませんか?
 「頑張ったね」「よくできたね」などと褒めていませんか?

これらは多くのリーダーがとりがちなマネジメント手法ですが、
いずれも「恐怖や支配による操作」の意図が含まれています。

 

恐怖を感じれば、部下は戦うか、逃げるか、凍りつくしかありません。
ご褒美や褒める言葉を使うと上下関係が生まれてしまいます。

 

短期的にはなんとか乗り切れるかもしれませんが、
長期的には良い結果を生まないことは明らかです。

ではどのように部下と接し、

共に目標達成に向けて行動すればいいのでしょうか。

 

 

勇気づけというアプローチ

 

部下が自立的に動き、目標達成に向けて共に行動するには

アドラー心理学の「勇気づけ」というアプローチが有効です。

 

「褒める」と「勇気づける」にはこのような違いがあります。

 


 

 褒める  :優れている点を評価し、賞賛すること

       評価的態度、上下関係が生まれ、部下を依存的にしてしまう

 

 勇気づける:困難を克服する活力を与えること

       共感的態度、対等の関係となり、部下が自立的になる

 

 

 今回、岩井俊憲先生から、明日から実践できる

 2つのアドラー流「勇気づけ」のスキルを教えていただきました。

 

 

明日から実践すべき2つのアドラー流「勇気づけ」

 

 

1.毎日5つ、感謝を書き出してみる

 

 

 感謝することには3つの良いことがあります。

 

 ①関係が良くなる

 ②人相が良くなる

 ③運が良くなる

 

 こんな話があります。

 

 毎朝お弁当を作ってくれる妻に、ふと感謝し、

 その気持を付箋に書きだしてお弁当箱に貼りました。

 

 すると次の日からお弁当がますます美味しくなったそうです。

 家に帰ってみると、キッチンの隅に感謝を書きだした付箋が貼られていました。

 

 妻に感謝が伝わり、自立的によりよいお弁当を作ってくれるようになったのです。

 

 このように感謝には人を幸せにする力があります。

 ぜひ小さなことでも気づき、感謝をしっかりと伝えてみてください。

 

 ポイントは「感謝>お願い」となるようにすることです。

 

 普段お願いばかりしていませんか?

 

 お願いの量を超える感謝が相互の信頼を築くのです。

 ぜひ毎日5つ、感謝を書き出してみてください。

 

 

2.「ダメ出し」よりも「ヨイ出し」をしてみる

 

 「悪い行動」は「良い行動」に比べて20倍印象に残ると言われています。

 ビジネスの現場では、上司は部下の「悪い行動」ばかりに目が行き指摘してしまいがち。

 

 「人は関心を向けられた行動を行う頻度が高くなる」

 という研究結果があります。

 

 つまり、「悪い行動」に関心を向けられた部下は、

 「悪い行動」をする頻度が高くなってしまうということです。

 

 部下の「良い行動」に関心を向けていますか?

 

 部下の「良い行動」に関心を向けて、感謝を伝えるようにしてみてください。

 「良い行動」は当たり前になってしまい、目立ちません。

 

 しかし、しっかりと言葉にして感謝を伝え続ければ

 きっと部下も自立的に動くようになります。

 

 

まとめ

 

 簡単なことですが、この2つを実践するだけでも

 とても大きな変化を実感できると思います。

 

と、岩井俊憲先生は言い切ります。

 

1.毎日5つ、感謝を書き出してみる

2.「ダメ出し」よりも「ヨイ出し」をしてみる

 

この2つを実践して、あなたも今日から

「勇気づけるリーダー」になってみてはいかがでしょうか?

 

 

岩井俊憲先生、とても有意義な学びをありがとうございました。