1年を通して、「経営の“要素”と“構造”」を学ぶ『経営の12分野』
今回は「管理力」の2つ目のテーマ「チームづくり」です。
チームをつくる にあたり、社長はどんなことに気をつけるべきなのか、何を基準にチームづくりを考えていけばよいのか等、様々な角度からチームをつくる上で重要なポイントをお伝えしました。
本レポートでは、理想のチームをつくるために社長がやるべきことについてそのエッセンスを、まとめてお伝えします!
「理想のチーム」とは?
皆さんは理想のチームとはどういったものかと聞かれたらなんと答えるでしょうか?
浜口はその問いに対して、「自立型のチーム」と話しました。
自ら考え、自ら判断し、自ら行動し、自ら成果を出すようなチーム。
そして、「そういったチームは必ず自立的かつ依存的である」と続けました。
「自立的かつ依存的なチームとは、オーケストラのようなものです。
彼らは非常に主体的ですが、オーケストラとしてハーモニーを生み出すためには、
まわりに依存しなければなりません。
それは悪い依存ではありません。
それぞれが依存的で、それぞれが自分の役割を全うして、
チームとして大きな成果(ハーモニー)を成し遂げているのです。
社長の覚悟
「良いチームを築くために、まず社長がしなければならないことがあります。それは“覚悟”です」浜口は語りました。
チームづくりを行うためには、様々な覚悟が必要です。
例えば、「育成の責任」。
部下が育たないことを部下のせいにしていませんか?
厳しい話ですが、部下育成の責任は100%社長にあります。
部下が育たないのではなく、社長が部下を育てていないのです。
思うように動いてくれない部下に対して不満を持ちたくなるときがあるかもしれませんが、
「部下が育たないのは社長の責任」と覚悟して、
どうすれば理想の部下に成長してくれるかを考え、育成に励みましょう。
また、育成をしていくためには「1000回伝える」という覚悟も必要です。
人は簡単に変わりません。「前に言ったじゃないか!」と言いたくなる気持ちを抑えて、
1000回は伝えようと覚悟すれば、必ず結果が変わってきます。
「マネされる覚悟」も大切です。
部下は、社長がやっている大変だけどよいことはなかなかマネしてくれず、
悪い部分だが簡単なことはすぐにマネされ、拡大伝染していきます。
自分の言動は大丈夫かを改めて確認しなければなりません。
あなたのチームに屋台骨はあるか?
あなたのチームに屋台骨はあるでしょうか。チームの屋台骨とは「右腕」です。
チームを一人でまとめることは大変です。
信頼できる右腕がいるのといないのとでは、雲泥の差が出てくるでしょう。
では、どのような人を右腕に選べばよいのでしょうか。
浜口は「相補完的な人」だと話しました。
多くの人は、右腕に「自分と似たような人」を選んでしまいますが、それは間違いです。
右腕や左腕に必要なのは、同質ではなく異質な存在です。
同じことが得意で、同じことができる人がチームにいても、できることは変わりません。
自分が苦手な分野を得意としている人や、自分とは違う考え方や行動をする人と組むことで、
相補完的なパートナーシップが実現するでしょう。
チームビルディングの3大要素
「チームビルディングは3つの要素によって構成されています。それは“採用”と“育成”と“メンテナンス”です。
理想のチームをつくるためには、それぞれを設計する必要があります」と浜口は話しました。
まず「採用」。応募が来て、2〜3回面接をして、良ければ採用というような流れで、簡単に決めていませんか?
小さな会社がポテンシャルの高い人材を採用したければ、採用活動を設計しなければなりません。
理想の人材像の明確化からはじまり、「ぜひ、ここで働きたい」と思われるように
自社の見え方を磨き、小さな会社だから提供できる特権を強くアピールしましょう。
そして採用プロセスも、接する回数を多く、接する時間を長くするように設計しましょう。
インターンを受け入れるという選択肢もおすすめです。
育成
育成をしていく上で、一番大切なことは、仕事を任せ、
どのレベルを求めているのかという基準を明確にすることです。
基準が曖昧だと人は基準を下げ続けます。どのレベルに達すればOK。
それ以下だとNot OKというラインを明確に引くことがポイントとなるでしょう。
共通の目的を持つことや仕事観の共有をすることも育成に繋がります。
部下が、仕事が人生で持つ意味をしっかりと理解すれば、
社長が指示を出さなくても、勝手に仕事を大切にし始めます。
CREDO等を使って、仕事観を共有する仕組みをつくりましょう。
メンテナンス
チームで成果を出し続けるためには、部下の仕事観やモチベーションのメンテナンスが必要不可欠です。
部下のモチベーションを下げないためには、自分の仕事が誰かの役に立っている、誰かに喜ばれているということを知ってもらうことが効果的です。
そこで、おすすめは「喜びの声」です。お客さんから喜ばれた声を全社で共有するという仕組みを持ちましょう。
自分の仕事がお客さんに喜ばれているという実感が、会社や仕事に対する愛情を深めてくれる はずです。
昨年の4月にスタートし、いよいよ1クールも終盤に入った『経営の12分野』シリーズ。
次回のテーマは「仕組み化」です。
経営の本質とも言える仕組み化。経営のみに言えることではありませんが、大切なことであればあるほど、仕組み化は欠かせません。
いつ、誰がやっても、同様の成果を出せるようにする仕組みはどうすれば実現するのか。
次回も2時間をかけてお伝えしていきますので、ご自身の経営に活かすために、共に学んでいきましょう。
ありがとうございました。