“ファン化”-経営の12分野 セミナーレポート

1年を通して、「経営の“要素”と“構造”」を学ぶ『経営の12分野』。今回のテーマは「ファン化」です。

 

「経営の3大分野」の『営業力』の最終フェーズです。

 

ファン化 = 購入したお客さんに継続的にお付き合いしてもらう活動

営業と聞くと、お客さんになるまで(集客力、見込み客フォロー、セールスのフェーズ)を想像しがちですが、

実は、とても重要で、しかし、あまりできていないのが「ファン化」です。

 

では、「ファン化」では何を意識するべきなのか。どういったことをやるべきなのか。

本レポートでは、重要だけど、なかなかできている企業が少ない「ファン化」のエッセンスを、お伝えします!

「一度の販売でお客さんとの付き合いが終わっていませんか?」

 

生涯顧客価値

あなたの営業は一度売れば(契約をもらえば)、終了というスタイルになっていませんか?

成功し続ける経営を実現するためには、生涯顧客価値(Customer Lifetime Value:以下CLV)をマネジメントしていかなければなりません。

「生涯顧客価値」とは、一人のお客さんから発生するすべての付加価値売上のことをいい、平たく言うと、その人が生涯に渡って、自社の商品やサービスを買って頂く価値です。

そのため、企業はいかに生涯顧客価値を管理して、最大限に高めていくかを考え、行動しなければなりません。

その活動を「CLVマネジメント」と言います。

 

 

CLVを高めるための3つのアクション

 

では、CLVマネジメントとは具体的に何をすればよいのでしょうか。ここではCLVを高めるために必要な3つのアクションを紹介したいと思います。

 

1つ目は、CLVを計算するということです。

 

皆さんは自社のCLVがどのくらいかご存知でしょうか? 

現状を知らずにCLVを高めることはできません。CLVは以下の計算式によって導き出されます。

 

CLV = 平均粗利益(*) × 生涯平均購入回数
(*) 平均粗利益 = 売上 − 原価 − 維持コスト

あなたの会社のCLVはいくらでしょうか? まずは、現在地を知ることから始めましょう。

2つ目は、CLVを高める3つの方向性を知ることです。

 

3つの方向性とは以下の通りです。

(1)購入単価を上げる
(2)別の商品を売る
(3)購入頻度を高める

優秀なセールスマンは常にこの3つを考えています。

 

もっと価値の高い商品を提案できないか。一緒に購入してもらえそうな商品はないか。

次はいつ頃購入してもらえそうか。どうしたらそのサイクルを早められるか。

 

優秀なセールスマンほど、一度の営業で絶対に終わりにはしません。

どうすればCLVを高めることができるかを常に考え、提案の内容とタイミングを考えているのです。

3つ目は、リピーターを自然に生み出す2つの力を磨くことです。

 

2つの力とは、「記憶に残る商品力」と「フォロー力」。

まずは、一度触れたら忘れられない程まで商品力を高められないかを考えましょう。

 

お客さんは「納得した」というレベルでは、すぐにあなたの会社のことを忘れてしまいます。

お客さんの記憶の残るのは、不満足のときと、ものすごく満足(感動)したときだけと覚えておきましょう。

ただ、そんなに簡単に高めることができないのが商品力の難しさです。だからこそ、徹底的に「フォロー」に力を入れましょう。

「フォロー力」を高めるために最も効果的な方法とは、販売以外の顧客接点を増やすことです。

販売を行わないことがポイントです。販売を行わなくても、お客さんは必ず商品のことを意識します。

売り込みをするのではなく、自然な形でのリピートを目指して、95%は商品以外の話をするくらいに意識で顧客接点を設計しましょう。

 

CLVマネジメントの2つのゴール

 

CLVマネジメントには究極的なゴールとして2つのものが考えられます。

1つ目は「究極の顧客」を持つこと。

 

究極の顧客とは、あなたのサービスに満足し、あなたの代わりにそのサービスを広めてくれるファンを超えた存在です。そういったお客さんをアンバサダーと読んでいます。

満足したお客さん以上の営業マンはいません。
お願いしなくてもあなたのサービスを広めたくなるほど、商品力を高め、フォローをして満足度を上げていきましょう。

2つ目は「究極のリピートビジネス」を構築することです。

 

究極のリピートビジネスとは、必ず継続して売上が立つビジネス。

つまり、ストック型ビジネスです。

明日の売上がわかっているビジネスほど安定した事業はありません。

今の事業モデルをストック型に変えられないか、もしくはストック型の要素を取り入れたセミストック型にできないか、その可能性を考えてみましょう。

 

2回目の赤坂会場での開催となった『経営の12分野』シリーズ。

今回は「ファン化」ということもあり、セミナー終了後にはささやかながら懇親会を催させて頂き、参加者の方々との交流の時間を設けさせて頂きました。

講師の浜口との交流はもちろん、参加者同士の交流もとても盛り上がり、

共に学ぶ経営者仲間としての絆が更に深まったのではないかと感じました。

継続的な学びの習慣を持つためには、学び仲間をつくることがコツの一つだと言われています。

こういった機会を活用して、ぜひこれからも共に学び、共に成長する学び仲間を増やして頂ければ主催者としてそれに勝る喜びはありません。

次回の「経営の12分野」のテーマは「経理・財務」。ついに「管理力」のシリーズに入ります。

 

「商品力」「営業力」は自信があるけど、「管理力」はちょっと・・・と思っている経営者は少なくありません。

しかし、成功し続ける経営を実現するためには、この3つの力をバランスよく伸ばしていくことが欠かせません。

 

ぜひ、共に経営を体系的に学び、「成功し続ける経営」を実現させましょう。

ありがとうございました。