2度目の起業 

 

事業が安定してきた前職の社長を辞し、

自分が本当にやりたかった「中小企業向けの支援事業」に挑戦した須田騎一郎氏。

 

過去に数度失敗を経験した事業を、それでもやりたいと1人で始め、

会社を成長へ導いた、須田氏の「経営戦略」についてご講演いただきました。

 

 

背水の陣 

 

1人で1から始めた中小企業向けIT技術支援。

須田氏をまず悩ませたのは、1人であるからこその自由と誘惑でした。

 

好きなように時間を使うことができる毎日かと思いきや、

現実は自由すぎて何もできないまま終わってしまう日々。

 

1度は腹をくくったものの、難しいIT支援業ではなくもっと簡単な

事業に変えて楽をしようかと、恐れに負けそうになる日々。

 

それから転機を迎えたのは、勘違いの電話から偶然案件を受注した時でした。

 

ここで須田氏は前職から100%抜け、知人を強引に集め、

仕事をやらないわけにはいかない状況を自ら作り出します。

 

 

山の中での経営理念決め

 

そうして始まった会社ですが、お客さんがいない、

実績もない、資金が7カ月でなくなるという状況。

 

社内の意見は食い違い、それぞれが違う方向を向いていました。

 

まずは経営理念をしっかり決めようと寒い山の中で行われた合宿では、

 

1. Mission(社会での役割)

2. Vision(目標)

3. Value(価値観)

 

について丸2日ほどかけて徹底的に議論したそうです。

 

 

まとめ

 

確固とした経営理念を構築したことで、ばらばらだった幹部の意思が統一され、

取るべき戦略も自ずと明確になったという須田氏。

起業の早い段階でとことん理念を考えることが大切ということでした。

 

須田氏が直面した1人の自由と誘惑は、誰もが経験したことがあるのではないでしょうか。

起業時には予測のできないことが多く降りかかります。

 

その時、決心が崩れないような状況を自ら作り出すこと。

それも起業家に必要な1つの力なのかもしれません。