今回のセミナーレポートでは、

『雑草の成功戦略』の著者である稲垣栄洋氏の

セミナー内容をご紹介いたします。

 

皆さんは、以下のフレーズを聞いたことがあるのではないでしょうか?

 

「自然界は、弱肉強食である。」

 

ここで、1つ疑問が残ります。

植物界も動物界も「弱肉強食」であれば、

なぜシマウマは絶滅しないのでしょうか?

 

それは、絶妙なバランスで自然界は成り立っており、

「弱き者」も、様々な戦略でポジションを確立しているからです。

 

雑草は、「最強の植物」と言われています。

雑草の戦略から何かビジネスに活かせる学びを得られないでしょうか?

 

本セミナーではそんな「最強の植物」から

ビジネスに活用できる成功哲学を 稲垣栄洋氏に語って頂きました。

 

今回はその中から、 「雑草の成功戦略」と「理想の雑草」についてご紹介いたします。

 

 

雑草の成功戦略:「逆境」をすべてプラス要素に転換させる

 

皆さんは、最近、何か「これは逆境だな、、、」 と感じた瞬間はありましたか?

「逆境」とまで言わなくても、私たちは日々、 様々な問題や課題と向き合っていると思います。

 

そして、それは雑草でも同じです。

雑草は常に様々な課題に立ち向かい、

それに対処し、「生き残って」いるのです。

 

少しだけ例をご紹介しましょう。

 

まず雑草にとって大きな課題となるのは、「踏まれる」ということです。

 

それは人間からかもしれませんし、 人間が使っている車、

そして硬い石や岩などからも踏まれることがあります。

 

それでも雑草は、「何度も立ち上がり生き続けているのです!」 と

言いそうなところですが、実は、真逆なのです。

 

雑草は、「踏まれる」ことで生き残っているのです。

 

どういうことなのでしょうか?

 

通常、普通に自分たちが見ている花などは、

「踏まれる」ということをされると、

致命的なダメージを受け、 枯れてしまいます。

 

しかし、雑草は、この「踏まれる」という

通常の植物界ではマイナスな出来事を、プラスに変えています。

 

具体的にお伝えすると、 雑草は、この「踏まれる」という行為を行った物体に、

自らの花粉を付け、その生命の種を世界に広げているのです。

 

もちろん、はじめからそうだった訳ではありません。

 

その効果を最大限に活かすため、雑草のほとんどは粘着性がある物質を出し、

踏まれれば、踏まれるほど、花粉が付くようになっているのです。

 

つまり、「踏まれる」ことは、雑草にとっては大歓迎なのです。

では、この雑草の生き残る戦略は、 私たちのビジネスにどのように活かせるでしょうか?

 

それは、下の質問に答えることできっかけが生まれるでしょう。

 

1) 定期的に訪れる、あなた(企業)にとっての

「課題」はどのようなものでしょうか?

 

2) それを毎回むりやり対処していないでしょうか。

 それを、プラスの要素にすることはできないでしょうか?

 

通常、「課題・逆境」だと感じている最中は、

「これは、逆境だ。」と決めつけがちです。

 

しかし、一歩下がって、 「この逆境をプラスに変えることはできないか?」

と考えるようにすると、新しい打開策が見つかるかもしれません。

 

特に、「業界の誰もが感じている“逆境・課題”」であればあるほど、

それをプラス要素に変換する価値はあります。

 

雑草は、「踏まれる」という、 植物界では絶対的にマイナス要素をプラスに変えました。

それによって、 普通は植物が咲かない人間が多く通る場所にポジショニングを取ることができ、

光合成ができるスペースを確保できているのです。

 

ぜひ、「この業界の課題は、弊社でプラス要素にできないか?」

この質問を少し考えてみてください。

 

 

理想的な雑草:ビジネスにも転換できる4つの要素

 

このセクションでは、 稲垣栄洋氏が研究を重ねて分かった、

「理想の雑草」の条件が紹介されていました。

 

そこで気づくのが、「理想の雑草の条件」は、

企業活動にも驚くほど転用できるということです。

 

稲垣栄洋氏は、「理想の雑草の条件」として、

以下の4つを紹介されました。

 

1) タイミングとスピード

2) 変化できる力

3) 常にリスクに保険をかける

4) 小さな成功を積み重ねる

 

特に、2番目の「変化できる力」は、 企業にとって、

今の時代で最も必要な要素と言っても過言ではないでしょう。

 

この「変化できる力」を養うために、

雑草は様々なデータを蓄積し、対応し、生き残ってきました。

 

ここでの1つポイントとして言えるのは、

「逆らわない」ということです。

 

稲垣栄洋氏は、このように言っています。

「変えられないものは受け入れる。変えられるものを変える。」

 

先ほどの「逆境は敵ではない」でも紹介しましたが、

雑草はマイナス要素である「踏まれる」ことを、

「踏まれ“ない”ようにするにはどうすればいいか?」 とは考えませんでした。

 

コントロールできないものを、無理やり変化させようとはせず、

その条件を受け入れ、「踏まれる」ことを受け入れ、

プラス要素にしていったのです。

 

皆さんが考える戦略は、 環境や市場の流れに

無理やり逆らっているものではないでしょうか?

 

もちろん、時には逆らうことも考え、 打開策を探ることも必要でしょう。

マイナス要素をコントロールしようとせず、 それを受け入れ、

プラスにしていく考え方も非常に大切でしょう。

 

ぜひ、理想の雑草の条件と、 ビジネスや企業の理想と重ね合わせ、

日々の活動に活かしていってみてください。

 

 

まとめ

 

いかがでしたでしょうか?

植物界は、不思議なほどにビジネスシーンと類似している部分が多くあります。

稲垣栄洋氏が冒頭で言っていましたが、

「今私たちが見ているすべての植物は、激しい競争の中から生き残った、

 他でもない、勝者なのです。」

 

あの世界的コーチでもあるアンソニー・ロビンズも、

「迷ったら、植物界から学ぼう。」と語っています。

 

皆さんのビジネスに、 この「雑草の戦略」は、

どのように活かせることができるでしょうか?

 

ぜひ、何かビジネスに行き詰まった際や、

新しい打開策を見つけたい場合は、 「雑草」からヒントを見つけてみましょう。